海外進出にはベトナム企業のM&Aがオススメ | 北浜グローバル経営株式会社

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海外進出にはベトナム企業のM&Aがオススメ

今、ベトナムはチャイナ・プラスワンとして注目を集めています。

・キリンホールディングスが、飲料製造・販売会社であるインターフード社を買収(2011年)
・サントリーホールディングスが、米飲料大手ペプシコ社のベトナム法人を買収(2012年)
・双日株式会社が、大手製紙会社であるサイゴンペーパー社を買収(2018年)

これらはすべて日本企業がM&Aでベトナムに進出した例であり、東南アジアを中心に、ベトナムへの注目度はますます高まることでしょう。

M&Aは、既に顧客基盤が確立されている、現地に従業員がいる、許認可等取得不要などのメリットがあり、現地に一から進出するよりも、はるかに早くビジネスをスタートさせることが可能です。

 

一方で、外資規制や会計基準の違い、見えづらい内部情報等、日本国内のM&Aとは異なる点に注意が必要であり、慎重に進めていく必要があります。

ベトナム企業を買収する際の留意点と対策

ベトナム企業を買収するにあたり、留意すべき主な点は以下の通りです。

①法制度、税務の違い
日本とは当然異なる基準で、法制度/会計基準/税務が設計されています。M&Aを行う前にベトナムの国内事情をある程度、認識しておく必要があり、デューデリジェンスの結果を分析する際も、この違いを考慮する必要があります。

※買い手企業が、売り手である企業の実態を把握するために行う事前調査

特に留意が必要な点は、外資規制の対象分野に該当していないかという点です。
外資規制に該当している場合は
・投資自体が禁止されている分野
・出資比率の条件規制がある分野
のどちらなのかを確認する必要があります。

また、ベトナム会社法(統一企業法)のどの会社形態で設立されているか、機関設計がどうなっているかを確認しないと、代表者の選任の際に制約が課されるケースに対応できない等のリスクが生じます。

②現地行政機関の実務事情
法律と実際の運用に乖離があり、許可を取得するまで思わぬ時間がかかる可能性があります。
現地の事情に精通したコンサル会社や専門家へ事前に実務事情を確認しておくと、ビジネスをスタートするまでのスケジュールに狂いが生じづらくなります。

③帳簿書類の透明性の低さ
財務諸表の透明性に疑義がある場合が多く、いわゆる二重帳簿をしている企業もあるので、その前提で対応を行いましょう。取引契約書の存否も十分に確認を行う必要がありますが、検討に必要な情報が集まらない可能性もあります。その場合は、不足した情報分をリスクとして価格に反映させるか、リスクを引き受けてM&Aを継続、もしくは撤退の判断が必要になります。

④従業員の心理的な抵抗
買収先の従業員が、外国の会社に買収されることに対する心理的抵抗を感じるケースがあるため、従業員の維持のための配慮が特に重要になります。社長や上司が外国人になり、いきなり方針や制度が変わると、士気の低下だけでなく、最悪の場合離職にもつながります。特に、買収先企業の中心的存在である人物のモチベーションには注意が必要です。
社内制度を変える場合は、現地の商習慣を理解している専門家や、現地のリーダーと相談・協力しながら進めましょう。

買い手側のM&Aプロセス

1.買収戦略の立案
日本国内でのM&Aで考慮すべき内容に加え、国外でM&Aをする際に事前検討しておくべき内容として以下の項目が挙げられます。

①市場参入の目的
その市場に参入することで、どんな効果を得たいのかを明確にしておきましょう。
曖昧なまま進めてしまうと、M&A成立後に相乗効果による成果が得られない可能性があります。

②対象市場の調査
海外の対象市場の調査を自力で行うのは困難です。必ず専門会社へ依頼しましょう。
ベトナムでは多くの市場が未成熟で、法規制も頻繁に変わるため注意が必要です。

③現地情報の信ぴょう性
現地情報やデータの信ぴょう性は、現地の事情に精通した専門家へ各分野ごとに確認するのがベストです。
二次情報は、JETRO(日本貿易振興機構)等の公的機関の公開情報を参照しましょう。

④許容リスクの洗い出し
M&Aの進行が遅れたり、ビジネスの収益が想定よりも少なかった場合に、許容できる範囲(許容リスク)を洗い出しましょう。
例えば、
・買収金額の最大予算
・交渉が長期化した場合に対応可能な期間
・簿外債務が発覚した場合に対応できる金額の上限
・M&A後、想定より収益が少なかった場合の許容額
などです。

これらの洗い出しが甘いと、後に大きなトラブルや経営課題に発展する可能性があります。

⑤撤退戦略
M&Aにより想定していた成果が得られなかった場合、どのように撤退するかも事前に検討しておきましょう。社員の処遇や機械設備の処分なども確認しておくことで、スムーズな撤退が可能になります。

 

2.買収先候補の情報収集/アプローチ
現地にコネクションがない状態で企業の売却情報を収集するのは困難です。現地に精通した専門家へロングリスト・ショートリスト(候補となる企業のリスト)作成を依頼しましょう。

3.バリュエーション評価
秘密保持契約を締結したら、必ず対象企業のバリュエーションを事前に評価しましょう。ただし、デューデリジェンスを行う前のバリュエーション評価は、国内M&Aとは比べものにならないほど、精度が低いことに留意が必要です。財務書類を回収し、算定を行うなどの方法で、バリュエーションの振れ幅と許容リスクを改めて確認しましょう。

 

4.LOI(基本合意書)の締結
バリュエーション評価の結果をもとに、双方で基本的な買収価格の基準を確認し、合意内容をLOI(Letter Of Intent:基本合意書)へ明示します。売却企業が複数の買収候補と交渉を進めているケースがあるので、優先交渉権の制定を必ず盛り込みましょう。
また準拠法・管轄・言語も、どの国に準拠させるか優先させるかを定めておく方が、後々のトラブルを回避できます。

5.デューデリジェンス
財務デューデリジェンスはもちろん、税務・法務・労務など国内M&Aでは不要とされる項目も、必ずデューデリジェンスを行いましょう。開示情報の信頼性・透明性が乏しいと感じる場合、最終交渉前にリスクを徹底的に洗い出すことが肝心です。

6.最終契約
デューデリジェンスの結果を反映させた内容の契約書ドラフトを作成します。ベトナム企業のM&Aでは交渉の相手方が弁護士や会計士であることが多く、M&A実務に不慣れで交渉が長期化する可能性があります。
また、トップ同士での交渉を重視する傾向があり、実務者レベルで決めた内容が覆える場合があります。最終決裁で内容が覆らないよう、トップ同士で話し合える場を設けておくなどの留意が必要です。

まとめ

日本国内のM&Aとは異なる点もあり、専門家へ依頼することが非常に大切です。
特に現地事情に精通しているかどうかが、M&A成立後のビジネスを行う上でも非常に重要になります。

M&Aによる海外進出は
・製造コストをできるだけ削減したい
・成長市場へ進出し売上を上げたい
・拠点を増やすことでサプライチェーンの毀損を回避したい
などの課題を抱えている企業にとっては、実は解決の糸口になる可能性もあります。

ぜひ、海外、特にベトナムでのM&Aをご検討いただきたいです。
国内、国外ともにM&Aの支援はもちろんのこと、現地に精通した専門家をお探しの方へご紹介も可能です。
ぜひお気軽にご相談ください。

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