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コラム

外国人雇用のメリットと注意点を解説
目次
はじめに:少子高齢化による人手不足
「令和2年国勢調査 (総務省HP)」で、日本の人口について「15歳未満人口の割合は世界で最も低く、65歳以上人口の割合は世界で最も高い水準」と発表されました。
このことから、今後も日本は少子高齢化の影響を受け、労働人口の減少傾向が続くと予想されます。多くの企業にとって「人手不足の課題」はより深刻になるでしょう。

一方で、人手不足の対策の一つとして、外国人雇用に取り組む企業は増加しています。
「外国人雇用状況の届出状況(厚生労働省調査)」を見ると、
国内の外国人労働者数は、2011年〜2021年の10年間でおよそ2.5倍に増加。

出典:【厚労省『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和3年10月末現在)』】
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka.html
年々需要が高まる外国人雇用。「外国人を受け入れる企業」と「日本で働く外国人」それぞれのメリットとは、どんなものがあるのでしょうか。
本記事では「外国人雇用のメリット」と「受け入れ企業が気を付けること」について解説いたします。
増加する外国人労働者。それぞれのメリットとは。
企業側のメリット
1. 人手不足解消、労働力の確保につながる
前述した通り、人手不足の解消は大きなメリットです。「令和3年 賃金構造基本統計調査(厚生労働省調査)」では、外国人労働者の平均年齢は32.7歳(最も平均年齢が低いのは技能実習生26.9歳)という結果に。国民平均年齢が48.6歳の日本で、若い外国人労働者の存在は重要な労働力と言えます。
2. 就労意欲の高い人材に出会える
外国人雇用が増加傾向と言っても、日本中の企業で受け入れ体制が整っているわけではありません。日本で就労先を探す外国人にとって、外国人雇用に取り組む企業は貴重な存在。学ぶことに意欲的な外国人材も多く、企業の活性化・業績アップにも繋がります。
3. 新たな市場開拓や海外進出の可能性がひろがる
海外進出やグローバル展開を考える企業にとって、外国人労働者の存在は他国と日本の架け橋になります。ビジネスシーンでの対応言語が広がるだけでなく、社内で他国文化を学び多様性を体感する機会作りが可能になるでしょう。事業戦略の中にグローバル展開を見据える企業は、外国人雇用に取り組むメリットがより高いと考えられます。
外国人労働者側のメリット
1. 雇用が安定している
国によっては雇用が安定しておらず、ある日突然仕事をなくしてしまうことがあります。
しかし、日本で雇用関係を不当に解雇されることは非常に稀です。仕事を失う不安感がなく働けるということは、労働者にとってのメリットです。
2. 保険制度などが整っている
日本で働くと、健康保険に加入することになります。他にも雇用保険加入、年に1回の健康診断、交通費の支給など、労働者が安心して働ける制度が充実しています。
3. 質の高い接客、高い技術が学べる
日本の接客・技術の基準は世界で見てもレベルが高く、仕事を通して学びたいと考えている外国人材も多くいます。そのため、意欲的な人材には事業参画のチャンス・活躍できる環境を提供することが重要です。
受け入れ企業が注意すべき点
在留資格の種類を知り、事前に確認を徹底する。
外国人材の在留資格の確認は必要不可欠です。
在留資格には就労可能・就労不可の種類があり、業務範囲も資格ごとに設定されています。
そのため、以下のような状況が発生すると企業が「不法就労助長罪」として処罰されます。
・不法滞在の外国人を就労させていた場合
・在留資格を持たない外国人を就労させていた場合
・在留資格で認められていない業務をさせていた場合
特に3つ目のパターンは「在留資格ごとの業務範囲までは把握していなかった」という理由で、故意でなくとも罰せられた企業の事例が少なくありません。
企業と労働者の両方を守るためにも、在留資格について知り確認することが重要です。
「安い労働力」ではない。新たな雇用には、新たな人事体制・評価制度を。
日本より物価の安い国から訪れた人材を不適切な低賃金で雇用したり、
“外国人だから”という理由で経営参画させない、ということはあってはいけません。
意欲ある人材のモチベーションを奪い、離職理由に繋がることは勿論、
コンプライアンス違反として企業側が罰せられる可能性があります。
労働者本人の能力を適切に評価し、コミットメントできる環境を創りだす。
そのためには「新たな人事体制・評価制度」の検討・構築が必要です。
職場の活性化、イノベーションを促進しましょう。
明確なコミュニケーション、重要告知は母国語での配慮も。
一定の日本語検定をクリアした外国人材だとしても、日本文化や独自のコミュニケーションに、すぐ慣れることは困難です。特に遠まわしな言い方や比喩表現は、誤解や混乱をまねく原因になります。
業務指示では「だれが、どこで、いつまでに」という明確な役割分担と期日を伝え、「空気を読む」という日本独自のコミュニケーションを過度に要求しないことが重要です。
また、事故を防止するための表記(危険/立入禁止)や業務上の重要な告知は、外国人人材の母国語表記を追記しましょう。複雑な漢字ではなく理解しやすい言語表記に配慮することで、事故やトラブルの防止に繋がります。
まとめ
外国人雇用には、企業の人材不足解消など様々なメリットがあります。
その一方で在留資格や生活面の支援、労働状況の整備など、
手続きの煩雑さ、受け入れた後にも様々な検討事項があります。
外国人雇用を進める際は在留資格の基礎知識について学び、
人材を長期的に支援する体制を整えることから、準備が必要でしょう。
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