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採択アップにつながる!?「IT導入補助金申請」を解説

先日、次年度のIT導入補助金の概要とスケジュールが発表されました。
IT導入補助金の申請は、他の補助金と異なり、申請の段階から事業者とITベンダー※が共同で作業を行う補助金です。そのため、事業者は専門知識のあるITベンダーの意見に左右されやすい傾向があります。
ITベンダーの意見も重要ですが、まずは「自社が何をしたいか」を明確にし、導入予定のツールが「課題に対して最適なツールか見極める」ことが最も重要です。そうでなければ、後々ミスマッチが起こる可能性を高めてしまいます。
今回は、申請の流れとポイントを、実際の申請支援の例を交えながらお伝えいたします。
※ITベンダー:ソフトウェア、システム、サービスなどのITツールを販売する企業(IT導入支援事業者)
目次
補助対象ツール選定は至難の業

以前、当社がIT導入補助金の申請支援を行った企業では、営業管理から会計まで、すべてをExcelで管理しており、帳票関係も属人的な対応をされていました。
当社が最初に受けた要望は、営業支援と会計の2つをシステム化したいというもの。
しかし、IT導入補助金で申請できるツールは1つのため、本当に必要なツールを見極める必要があります。当社コンサルタントのヒアリングを経て、会計ツール導入のために補助金を申請するようになりました。
数多あるITツールの中から、企業ごとの課題解決に最適なツールを1つ選ぶということは至難の業です。前述した企業のように「複数の課題を解決したい」という場合もあります。最適なツールを見極めるためにも、まずは「自社で一番実現したいこと」を明確にしましょう。
その上で、企業の経営状況や改善効果の高い課題を確認しながら、下記内容をふまえてITツールを選定します。
【申請ツールの選び方】
・導入の目的を明確にしているか
・自社の弱みをカバーできるものか
・できるだけ加点項目※に即しているか
※加点項目:補助金ごとに定められた条件を満たすことで加点され、採択率を上げる可能性がある項目
申請の肝は「事業内容欄」にある

IT導入補助金は、申請時に事業計画書を作成する必要がなく、申請用の入力フォームも他の補助金と比較すると非常にわかりやすくなっています。申請が簡単というメリットはありますが、一方で、採択されるために自社をアピールできる項目が少ないとも言えます。
実際、IT導入補助金全体の採択率は決して高くありません。
では、申請時に最も重要な項目はどこなのでしょう?
私は「事業内容欄」にあると考えています。
「事業内容を確認されている」という認識で、自社の事業内容をシンプル且つ端的に表現する方が多くいらっしゃいます。間違ってはいないものの、申請時に自由形式で文章を記入できる項目はほとんどありません。事業内容欄は自社をPRする場所として非常に重要です。
以下に注意しながら、事業内容欄を作成しましょう。
・事業内容を端的に書けているか
・自社の事業内容の弱み、強み
・導入を予定しているツールは、どのように弱みをカバーできる(または強みを伸ばす)のか
・導入後の運用計画、事業の展望
・上記内容を所定の文字数で、審査委員が論機的に理解できるよう書けているか
<併せて確認>基本的なミスを防止するために
不採択理由の3割は「添付資料の期限切れ」または「添付忘れ」と言われています。
申請前には今一度、必要書類の種類や発行時期に間違いがないかを確認し、添付忘れがないように注意しましょう。
ものづくり補助金や事業再構築補助金であれば、不採択時に審査員からのコメントが出ますが、IT導入補助金には不採択理由のコメントが出ません。そのため、申請内容のどの部分を改善すべきかがわからず、再申請の改善点がわからなくなることもあります。
基本的なミスを防止するためにも、申請前には必ず「添付資料の内容」と「事業内容」をしっかり見直しましょう。自社で必要な項目を記入し、ITベンダーが必要項目を入力後、最終チェックを経て交付申請が完了となります。
まとめ

ここまでにお伝えした「IT導入補助金の申請のポイント」をおさらいしましょう。
・自社が一番実現したいことを明確にする
・課題解決に最適なツールを、加点項目に即した内容で選定する
・申請項目の事業内容欄は、自社PRの気持ちで記入する
・添付資料の種類や発行時期に間違いがないか再度確認
中でも最も重要なことは「実現したいことを明確にする」ことです。
ITツールの導入は、あくまで理想を実現するための手段にすぎません。
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ITツール導入後の経営改善・向上を目指し、当社と共に計画的な導入と運用を実現しましょう。