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【企業の健康診断!?】組織課題の抽出に役立つ「組織サーベイ」とは
従業員の企業に対する考えが見えにくくなったと感じる場面が増えたのではないでしょうか。働き方やライフスタイルが多様化すると同時に、組織課題も複雑化している昨今。組織を束ねる人ほど忙しさゆえに従業員とのコミュニケ―ション不足に悩み、組織を正しく理解する機会を求めているのではと考えます。
そこで今回は、組織の現状を把握するために効果的な「組織サーベイ(従業員意識調査)」について、当社の実施内容や事例も交えてご紹介します。
目次
組織サーベイは“企業の健康診断”

組織課題を抽出・解決する上では、まず「現状を知る」ことが重要であり、従業員一人一人の率直な声を聞くには、「組織サーベイ」が効果的です。組織サーベイは“従業員満足度調査”や“アンケート調査”を行い、組織の状態を数値化することで見えなかった課題やニーズを浮き彫りにします。
アンケートの回答は無記名で行い、従業員ごとの性別・年齢・勤続年数・所属部署・役職の情報をもとに「意識・モチベーションの相違が発生していないか」を確認していきます。アンケート結果を見れば、組織の良い部分も悪い部分も全て明確になるということです。
仮に、上層部と現場との相違、部門間での相違などの問題が明らかになっても、ネガティブにとらえる必要はありません。課題をクリアにし解決策を実行していけば、企業の成長へとつなげられるためです。
組織サーベイ(従業員意識調査)は、人間でいう「健康診断」のようなもので、 健康的な経営状態と判断されれば問題なし、不健康かつ悪い箇所が発見されれば改善処置が必要になります。発見が早ければ早いほど処置は軽く済むので、定期的な調査をオススメします。
メリット・デメリット

組織サーベイのメリットは、「組織の現状をデータで可視化できる」ことです。
主観的な情報だけでは原因や解決策を判断しづらい組織課題において、数字は客観的な判断材料となります。
実施することにデメリットがあるとすれば、「実施に至るまでの準備と実施後の分析」に関することがほとんどでしょう。
実際、経営者の方々が自力でアンケート作成や調査分析を行うことは非常に困難と言えます。
組織サーベイを実施する際は外部専門家の支援もぜひご検討ください。
・組織の現状を数値化し、良い点(伸ばす部分)と悪い点(改善すべき部分)を可視化する
・従業員の満足度(エンゲージメント)を測れる
・現状を把握することで、離職防止策や、業務の効率化につながる行動を起こせる
デメリット
・従業員とともに取り組む時間を設ける必要がある
・従業員数が少ない場合、本心の回答を得られない可能性がある
(年代・勤続年数・役職などの情報から、本人が特定されることを意識する場合)
※年代などの抽出項目は各企業と相談の上、確定いたします。
当社の実施内容

当社の組織サーベイで測定できる内容をご紹介します。
下記8つのテーマに沿ったアンケートを実施し、組織の全貌(=全従業員の声)を見ていきます。
■理念、ビジョン、方針
■職場の雰囲気、風土
■仕事の品質、充実度
■業務の状況、過重労働(労働環境)
■管理者のマネジメント
■人事制度、人事評価
■処遇、福利厚生
■能力向上、キャリア
上記テーマに関するアンケートはスマートフォン・タブレット・パソコンから15分程度で回答が可能で、テーマごとの組織の良し悪しを把握することができます。
事例:A社の場合
A社では、「従業員が育たない、業務が効率的ではない」というお悩みがありました。
そこで従業員意識調査アンケートを実施した結果、以下のようなことがわかりました。
①「職場の雰囲気・風土」では、勤続年数の長い従業員の数値(満足度)が高く、勤続年数の短い従業員は数値が低い
②「理念の浸透度」では、年齢の若い従業員は数値が高く(理念が浸透している)、年齢層が上がるほど数値が低い
①②の結果から、A社のお悩みの原因は「若年層と中年層によるモチベーションの差と、ミスコミュニケーション」にあると考え、解決には「意欲ある若手従業員が意見を出しやすい環境作り」「中年層のマネジメント能力向上」が必要と判断しました。
原因を抽出した後は、それぞれの従業員に対して、別々のアプローチを行います。
勤続年数の短い若年層従業員に対しては、当社コンサルタントが1on1面談を行い、業務での悩みごとや改善したいことをヒアリング。
さらに中年層とのコミュニケーション課題を改善するための研修も実施しました。
勤続年数の長い中年層の従業員に対しては、若手育成を促進させるマネジメント研修を実施し、若手従業員とは別の機会にコミュニケ―ション研修を行いました。
その結果、徐々にコミュニケーションの課題は改善され、サーベイ・研修実施前より従業員全体の意識向上と業務の効率化ができました。
上記はあくまで一例ですが、このようにアンケート結果をテーマごとに分析することで、組織の課題点が浮き彫りになり、効果的な対策を打つことができるのです。
最後に

これまで、どうすれば従業員の生産性向上やモチベーションアップを実現できるか、と悩まれる経営層の方々に多くお会いしました。組織を運営する中で人に関する課題はつきものです。
・従業員の職場に対するリアルな声が聞きたい
・自身の感じる課題と実際の組織課題があっているか確認したい
・従業員成長のために何をすればよいかわからない
・職場環境の課題には気づいているが対策を打つ時間がない
という方も、組織サーベイを行うことで従業員の本音を知り、思いもよらぬ気づきを得られるかもしれません。
北浜グローバル経営では、組織改善の第一歩となるサービスプラン「IppoMae」をリリースしています。専門コンサルタントが貴社の組織サーベイの実施・結果を分析し、組織の課題抽出と解決に向けた施策立案、またそのご支援をしております。
また、組織サーベイの実施だけでなく、その後の「面談」や課題解決に必要な「研修」など、人材育成に関するさまざまな支援メニューをご用意しております。人・組織に関するお悩みは、当社の人材育成コンサルタントにお任せください。
貴社の戦略人事部門として、成長の土台作りをご支援いたします。