「いい人材がいない」を解決!リファラル制度の注意すべきポイントを解説 | 北浜グローバル経営株式会社

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「いい人材がいない」を解決!リファラル制度の注意すべきポイントを解説

皆さまは「リファラル採用」をご存じでしょうか?
企業の規模に関わらず、限られたリソースの中で従業員の採用・定着を実現させるべく、企業全体で一丸となって仲間を増やす方法です。

少子高齢化によって、今後も労働人口の減少が見込まれる中、各社、従業員を採用・定着させるためにはどうすればよいか、今まで以上に頭を悩ませています。
特に中小企業は大企業よりも知名度が低く、採用にかけられるリソースも限られています。大企業と同じやり方ではなかなか結果が出ず、採用できない負担が、既存の従業員へのしかかっている傾向にあります。

そんな課題は「リファラル採用」で解決できるかもしれません。
今回は「リファラル採用」のメリットや注意点について、事例を交えてご紹介します。

 

「リファラル採用」とは

社内外の信頼できる人を介して、企業が求めている人材を採用する手法です。企業が求める人材の情報を従業員などへ共有し、当てはまりそうな友人・知人などを推薦・紹介してもらいます。

欧米では、8割以上の企業がリファラル採用を導入していると言われるほど主要な採用手法となっています。日本ではまだ馴染みのない企業も多いかもしれませんが、株式会社マイナビ「中途採用状況調査2021年版」(2021年1月調査)では、日本でも約6割の企業が採用活動にリファラル採用を導入しているというデータが出ています。

『コネ入社』や『縁故採用』との違いは?
関係者からの紹介による採用と聞くと、『コネ入社』や『縁故採用』と同じ印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
これらとの明確な違いは『他の採用手法と同様に、公平な選考を行う』点です。
紹介といえど、選考で不採用となる可能性があります。

「リファラル採用」のメリット

ミスマッチの軽減による定着率の向上

メインターゲットは、従業員や関係者の友人・知人です。紹介者と似た価値観を持っている可能性があり「企業理念や企業文化への共感」「社風」「従業員との相性」などのマッチング度が高いことが期待できます。
また「友人や先輩が働いている企業だから」という安心感もあり、通常の選考よりも内定辞退率が低く、採用の精度が上がります。

紹介者(従業員)が採用者(知人・友人)のフォローやメンタルケアを自発的に行いやすいため、入社後の定着支援や入社後の早期退職率を軽減させることにつながります。

転職潜在層へのアプローチが可能

転職サイトなどは登録されている求職者(転職顕在層)としか出会うことができません。一方で、リファラル採用は、積極的な転職活動は行っていないものの「いい企業があったら転職したい」という「転職潜在層」にもアプローチが可能です。

転職潜在層の採用は他社と競合することが少なく、マッチング度の高い人材を採用できる可能性が高まります。

採用コストの削減

リファラル採用の形が出来上がると、新たな求人広告や人材紹介サービスを利用する必要性が減少します。掲載料などが不要になり、結果的に従来の採用単価と比較して採用コストを抑えられる可能性が高まります。

採用手段ごとの特徴

※1 オウンドメディアリクルーティング:自社のメディア(ホームページ、ブログ、SNSなど)を活用する方法
※2 ソーシャルリクルーティング:SNS(Twitter、Facebook、YouTube、LINEなど)を活用する方法

従業員の帰属意識を高める

従業員が自社を友人などに紹介するため、従業員の企業に対する理解度が高くなります。企業理念を伝え、入社理由や担当業務、今後実現したいことなどを語る中で、結果的に自身のキャリアや自社の魅力を見つめなおすきっかけとなり、帰属意識を高めることにつながります。

「リファラル採用」でよく起こるトラブル

メリットが多いリファラル採用ですが、注意すべき点も多くあります。

事例① 紹介者がリファラル採用をきちんと理解していない
従業員が友人に対して「入社しないか」と安易に声をかけ、通常の選考と同じであることを伝えていなかったため、友人が何の準備もしないまま選考を受けて不採用となった。結果、紹介した従業員と友人の関係性が悪化した。

<防止策>
リファラル採用では、人間関係トラブルなどから、企業に対する従業員の信頼を損なう可能性があります。しっかりと制度のルールを社内に浸透させ、応募者(=友人・知人)に対する配慮と同時に、紹介者(=従業員や関係者)へのケアを行う必要があります。

事例② インセンティブの設定を誤り、弊害が出た
モチベーションアップのために、紹介してくれた従業員へのインセンティブを設定したところ、積極的に友人・知人を紹介することで、多額のインセンティブ獲得を目指す従業員が出た。結果的に、制度をよく思わない従業員が出たり、リファラル採用で入社した従業員と既存の従業員の間に溝ができてしまった。

<防止策>
紹介の動機付け理由が「インセンティブ」だけになっている際に起こりがちなトラブルです。トラブルを防止するためには、なぜリファラル採用を行うのか「意義」を明確に伝え「称賛」の意味を込めたインセンティブの設定を行うことが重要です。

事例③ 紹介数がなかなか伸びない
求人媒体などの採用コストを削減するために、人事部が従業員へ積極的に声かけを行い、時には部署ごとに紹介数のノルマを設けたりもしたが、ほとんど紹介はなく、成果に結びつかなかった。

<防止策>
制度を設ければ従業員が自発的に紹介を行うとは限りません。紹介したいと思わせる従業員への動機づけがあって、初めて行動に移ります。具体的には、現在の採用課題やリファラル制度が推進される背景、企業の成長にどのような人物が必要かなどを従業員に周知することが重要です。
今までの採用手法も併用しつつ、制度への理解をすすめることから始めましょう。

「リファラル採用」成功に向けた前提条件

リファラル採用を成功させるには、以下の4つが必要です。

●愛社精神を高める
従業員が自社に満足していない状態であれば、どれだけ策を講じても、積極的に「友人・知人を紹介しよう」とはなりません。まずは、従業員が第三者に対して、企業の魅力を話せる状態をつくる必要があります。愛社精神は、リファラル採用に限らず、企業を成長させる上で最も重要な要素の一つになります。

●企業のビジョンを明確する
候補者とのマッチング率を高めるためにも、企業理念やビジョンが明確であればあるほど成功に近づきます。全く一緒とまでは言わずとも、想いや考えの重なっている人材の方が入社した際により活躍いただけるのではないでしょうか。一方で応募者としても、今後のビジョンが不明確な企業への入社は不安が残りますので、しっかりとお互いを知るためにも、ビジョンを明確にしておくことが大事です。

●事実を正直に伝える
友人や知人に対するリファラル採用の提案は、採用前提で話を持ちかけるというよりも、企業の情報や状況を知ってもらうことから始めるようにしましょう。興味をもってもらえた段階で、具体的なリファラルの話を進めます。重要なのは、話を誇張することでも、良い部分のみを伝えることでもありません。良し悪しを正直に伝えて、ミスマッチを減らすことです。

●従業員の負担にならない
採用責任者が気をつけなければいけないポイントは、リファラル採用が、従業員の通常業務の妨げや負担にならないことです。紹介フローが複雑であったり、手間や時間のかかる方法であった場合、非協力的なわけではないのに紹介数が伸びないといった状態が起こります。可能な限り、フローの簡素化を目指すようにしましょう。

まとめ

「リファラル採用」の魅力を、メリットと注意点、事例を交えてご紹介しました。
人材獲得競争を勝ち抜くためには、採用の考え方の見直しや、新たな採用戦略の検討が必要になってきています。

リファラル採用の制度構築には、採用活動全般に必要な企業の情報を抽出し、整理するといった準備段階の要素が多く含まれています。お伝えした通りリファラル採用が活性化できれば、採用コストの削減はもちろん、離職率の低下にもつながるかもしれません。採用に課題を抱えられている企業の採用担当者様は、ぜひご検討いただきたいです。

もし「何から手を付けて良いか判断できない」という人事担当者の方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。
一緒に貴社の成長に向けた人材課題の解決を目指しましょう。

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