ハローワークに向いている企業と成果が出ない理由 | 北浜グローバル経営株式会社

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ハローワークに向いている企業と成果が出ない理由

中小企業からの雇用相談で、必ずと言っていいほど話題にあがるのが、ハローワーク経由の採用です。
これまでの経験や先入観から、ハローワークに「期待した効果が得られない」というネガティブなイメージをもたれている企業も多いかもしれません。

確かに企業の状況によって、ハローワークより効果が期待できる他の採用手段もあるでしょう。
しかし、ハローワークにも独自の強みが存在します。活用次第では、他の企業よりも採用確度を高められる可能性を秘めています。ハローワークが自社に適しているかを見極めるために、まずは特徴を知ることから始めましょう。

『ハローワーク』とは

ハローワーク(公共職業安定所)とは、国(厚生労働省)が運営する総合的雇用サービス機関で、求職者や事業主に対して、さまざまなサービスを無料で提供しています。

【参考】厚生労働省発行のハローワークリーフレット 「ハローワークは貴社の人材確保を全力でサポートします」

採用手段ごとの特徴
※1 オウンドメディアリクルーティング:自社のメディア(ホームページ、ブログ、SNSなど)を活用する方法
※2 ソーシャルリクルーティング:SNS(Twitter、Facebook、YouTube、LINEなど)を活用する方法
(2023年7月、TwitterはXに名前を変更)

『ハローワーク』のメリット・デメリット

〈メリット〉
・無料で利用できるため外部コストをかけずに、トライアル&エラーができる。
・国(厚生労働省)が運営している安心感と、金銭が絡まないため平等性がある。
・条件や採用する求職者によっては、助成金を申請できる(特定求職者雇用開発助成金など)。
・職に困っている人に対して、働き口を与える、教育をするという社会活動の一環になる。

〈デメリット〉
・地元志向の求職者がメインターゲットとなるため、労働人口の少ない地域だと候補者が集まりにくい。
・掲載や選考など各工程の手続きに手間がかかり、採用活動に時間がかかる。
・転職サイトなどと比較し、掲載できる情報量が少ない。
・採用ターゲットとは異なる応募も少なくない。

『ハローワーク』の利用が向いている企業

採用にコストをかけられない企業

小規模の企業やベンチャー企業など、思うように採用コストをかけられない企業もあるでしょう。そんな時、無料で求人情報を発信できるハローワークを活用することで、コストを抑えながら人材を採用できる可能性があります。

採用を急いでいない企業

ハローワークに掲載したからといって、すぐに応募が来るわけではありません。
「大阪市 製造業 求人」とインターネット検索をしても、ハローワークの求人情報が検索結果の上位に表示されることは稀です。
ハローワークのサイト内での掲載順も手続きから日が浅い順で統一されているので、意図的に上位表示することは難しく、求職者の目に留まりにくい傾向があります。
一方で、採用を急いでいない企業であれば、定期的に求人情報を更新し、採用基準を決めて選考を行うことで、求める人材と出会う可能性を高めることができます。

高い専門性や資格を必要としない企業

業界特化型の転職サイトなども充実している現在において、高い専門性や資格を必要とする職業の人材は、ハローワークを利用することが少なくなっています。
専門的な知識や資格を必要としない職種で、最低限の教育を自社で行える企業であれば、将来的な活躍が見込める人材を採用することも可能です。

求める人材が採用できない(ミスマッチが発生する)原因

ハローワークに向いている企業でも成果が出ない・ミスマッチが発生する場合は、以下のような原因が考えられます。

■事前準備をしっかりせずに採用活動をしている
入社後任せたい業務、社風に合いそうな人材の特徴、採用基準、採用後のキャリアなど採用活動前に必要な「求める人材」の棚卸しをせず、曖昧な状態で「求人掲載→面接→内定→入社」のプロセスを踏んでいるため、結果が出ていない可能性があります。
事前準備ができていなければ、入社前に防げたはずのミスマッチによって、早期退職につながる可能性を高めてしまいます。
そもそも企業が「求める人材」を具体化できていなければ、採用できる可能性は極めて低くなります。必要な情報を整理し、「求める人材」を具体化するところから改善が必要です。

■求人票に載せている情報が薄い
求職者に興味をもってもらうには、求人票の項目を「埋める」だけでは不十分です。ハローワークの求人票は民間の求人サイトなどと比べ、企業のイメージがもちづらいフォーマットになっています。自社の理念や魅力、自社を選ぶメリットなどをしっかりと具体化し、限られた情報量でも、求める人材に響く求人票を出す必要があります(不特定多数に響く求人票である必要はありません)。また、写真などの画像情報も掲載するようにしましょう。

■そもそも利用者数が減っている
そもそも狙っているターゲット層が、ハローワークを利用していないという可能性もあります。ハローワークの利用者年齢層を見てみると、40歳以上が全体の63.5%。29歳以下の利用者はわずか18.5%でした。また、新規求職者数に関しても、2012年度には約660万人だった人数が、2022年度で約450万人と年々減少傾向にあります。

厚生労働省『一般職業紹介状況(職業安定業務統計) 雇用関係指標』の有効求職者数・新規求職者数より算出

■雇用条件に問題がある
自社の雇用条件が競合他社や業界相場と比べてどうなのかを確認する必要があります。
他社より給与・待遇などを良くすることが現実的に可能であれば好ましいですが、難しい場合は条件面以外の部分でできる限り自社の魅力を打ち出しましょう。
求職者は検索条件にヒットした複数の求人を見て応募先を決定します。見比べられるであろう求人を先にチェックしておくことで、対策が可能です。判断しづらい場合は、同じエリア・職種と見比べてみてください。

まとめ

ハローワークに限らず、採用手段は企業の状況や求める人材に合わせて活用する必要があります。
企業が採用活動を始めるとなった場合、真っ先に考えるべきは、欲しい人材の情報を整理すること。その上で、可能性のある手段を選択することが必要です。

>>関連コラム「採用・定着に課題のある採用担当者の方は必見 ―「ペルソナ設計」を徹底解説 ―」を読む

適した手段を選択するためには、採用手段ごとの特徴についてもインプットすることも大切です。
「人事課題を抱えているが、どうすれば良いかわからない」という人事担当の方がいらっしゃいましたら、“社外の人事担当”としてぜひ当社にサポートさせてください。
一緒に貴社の成長に向けた人材課題の解決を目指しましょう。

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