【実例付】コミュニケーションが活性化するアサーショントレーニング | 北浜グローバル経営株式会社

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【実例付】コミュニケーションが活性化するアサーショントレーニング

「チームのコミュニケーションに課題を感じる……」
「一人一人が積極的にアウトプットできる環境はどう作れば良いのか……」
これは組織パフォーマンスにも影響し、経営陣やチームリーダーの方であれば一度は考えることだと思います。
実際に、これまで人材育成コンサルタントとしてご支援してきた企業様からも、ご相談を受ける機会は多くありました。

組織パフォーマンスを向上するには、全員が建設的な意見交換をできる環境づくりが重要です。
そのために、まず「アサーションを実践できる人材」が組織にどの程度いるか、注目してみましょう。

今回は「アサーション」の概要と、トレーニング方法を二つお伝えします。
読みながら、ご自身や社内メンバーのタイプを想像してみてください。

アサーションとは?

アサーションとは、相手と自分、両方の意見を尊重しながら建設的にコミュニケーションを進めるスキルを指します。
自己主張ばかりで相手の意見を聞き入れないコミュニケーションや、相手の話を聞くだけで自己主張ができないコミュニケーションは、どちらもアサーション(アサーティブ)とは言えません。
「意見を聞く」「考えを伝える」この二つが成り立ってこそ、建設的なコミュニケーションと言えます。

アサーションは業務コミュニケーションに欠かせないスキルであり、社内教育に取り入れる企業も増えるなど、年々注目が高まっています。

アサーションが注目される背景

【テレワーク増加によるコミュニケーションの困難さ
新型コロナウイルス感染症の影響で、テレワークを導入する企業も増加しました。移動時間の削減、ペーパーレスが進んだなどのメリットもある半面、業務中のコミュニケーションの難易度は上がっています。

内閣府による「テレワークで不便な点」の調査では
・社内での気軽な相談、報告が困難
・画面を通じた情報のみによるコミュニケーション不足やストレス
・取引先等とのやりとりが困難
といった、コミュニケーションに関する回答が上位を占めています。

オンラインだと相手の様子が見えづらい、細かなニュアンスが伝わらないなどの不安・不便がある中で、互いを尊重するコミュニケーションの習得が重要視されています。

※出典:第6回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査(内閣府)

【ハラスメントに対する意識の高まり

平成23年〜30年にかけて、職場のハラスメントによるトラブルは年々増加していました。
それを受け、令和2年には労働施策総合推進法の改正 (パワハラ防止対策義務化)が行われるなど、ハラスメントに対する意識も高まっています。

※出典:労働施策総合推進法の改正 (パワハラ防止対策義務化)について

職場ハラスメントの原因の多くは、コミュニケーション不全によるストレスです。
ビジネスの場では多くの人と意見を交換する必要がありますが、中には、意見を伝えたいばかりに攻撃的な印象を与える人や、極端に自分の意見を伝えることが苦手な人もいるでしょう。
どちらも長期的に放置されると本人や周囲がストレスを抱える原因になり、ハラスメントなどのトラブルに発展する可能性があります。コミュニケーションを円滑にし人間関係のトラブルを防ぐための方法としても、アサーションは注目されています。

コミュニケーションの3タイプを解説

コミュニケーションにおける自己主張のパターンは3タイプに分かれます。
社内メンバーや自身がどのタイプか想像してみましょう。

◎アグレッシブタイプ(攻撃型)
アグレッシブタイプは、自己主張が強く、攻撃的な表現をしがちなタイプです。
結論を導くのが早く、意見をはっきり主張できるのは良い点ですが、勝ち負けへのこだわりが強く人より優位に立とうとします。「自分が常に正しい」「物事を思い通りにしたい」という考えから他者に意見を押し付けるため、組織内での衝突が絶えない傾向にあります。

ノン・アサーティブタイプ(非攻撃型)
ノン・アサーティブタイプは、自己主張が控えめ(または苦手)で、アグレッシブと真逆なタイプです。
常に相手の状況や考えを優先し、周囲との調和を大事にします。自分の意見に自信が持てず他者の意見を聞きすぎるため、決断力や責任感が育ちにくい傾向もあります。他者と衝突することは少ないですが、他責思考で言い訳が多くなってくると「扱いづらい人」と思われるため要注意です。

アサーティブタイプ(中立型)
アサーティブタイプは、文字通りアサーティブなコミュニケーションを実践できるタイプです。
自分の意見を通すばかりでなく、相手を優先しすぎることもなく、お互いの意見を尊重して適切な結論を導き出すことができます。
その場の雰囲気に応じて「適切に伝えるための表現」ができ、建設的な意見交換を通じて信頼関係の構築ができるのが特徴です。

アサーションはトレーニングできる

伝え方や考え方は人それぞれなので、全員がアサーティタイプになることは難しいかもしれません。ただアサーションを意識してコミュニケーションができるよう、トレーニングすることは可能です。

―アサーショントレーニングのメリット

組織においても、一人一人がアサーションを意識することにはメリットがあります。笑顔の相手には笑顔で対応したり、怒った相手にはハラハラ・イライラさせられたりするように、人は相手の対応に良くも悪くも影響を受けるものです。
アサーティブな対応ができれば、相手もアサーティブな対応をしてくれる可能性が高くなります。
結果としてコミュニケーションのストレスが軽減され、組織全体のパフォーマンス向上にもつながります。

注意点はある?
アサーションをしっかりと身につけるには「自己主張」のトレーニングに努め、試行錯誤を繰り返す必要があります。アサーションが身につくまでの過程では、主張の仕方が分からず戸惑ったり、主張しようとした意見が攻撃的に聞こえてしまう可能性もあります。

ー今からできる!アサーショントレーニング方法

アサーションを身につけるためのトレーニングとして、代表的な方法を二つご紹介します。

DESC(デスク)法

DESC法はアサーションを体系的にまとめ、4ステップに分解したものです。
4ステップを意識しながら会話を進めることで、相手の気持ちを尊重した意思伝達ができ、良い関係性を築きやすくなります。

DESC法は依頼・交渉をする時だけでなく、相手の誘いを断る時や、相手に注意を促す時にも有効です。
メリットは「建設的に話を進められること」ですが、デメリットとして「具体的な提案や選択肢が複数必要」な場合もあります 。

ステップを順に説明します。

1.Describe(描写する)
解決したい課題の現状、相手の行動を、客観的に描写し事実を相手に伝えます。
自分の感情を入れたり、推測で話したりしないことが重要です。

2.Express(表現する)
Describe(描写)した内容に対して、自分が感じていることや意見を率直に表現します。
このステップは、Empathize(共感)・Expose(見せる)・Explain(説明する)と表す場合もあります。

3.Suggest(提案する)
課題を解決するために相手に実行してほしいことを具体的に提案します。あくまで相手への提案であり、強制や命令と受け取られる表現にならないよう注意しましょう。このステップは、Specify(具体的に挙げる)と表す場合もあります。

4.Choose(選択する)
相手が提案を受け入れた場合と、受け入れなかった場合の結果や選択肢を示します。
交渉の場合は、提案が拒否されることも考慮していくつかの選択肢を準備しておくのがポイントです。
このステップは、Consequences(結果を伝える)と表す場合もあります。

【アサーティブではない例

アグレッシブタイプ
主張が強く結論を急ぐので、Express(表現)、Choose(選択)と提案の具体性が抜け落ちてしまうことがあります。「クライアントから納品を早めて欲しいと依頼があったので、今週中に作業を完了してほしい」と結論だけを伝えた結果、相手に「自分の都合ばかりだ!」と思われてしまいます。

ノン・アサーティブタイプ
相手の忙しさを察して頼れず、自分の残業で解決しようと作業を抱え込む可能性があります。まずは協力してもらえないかの事実確認が重要です。仮に相談はできても、決断が苦手なことから、柔軟な提案や対応ができない場合もあります。

アイメッセージ

アイメッセージとは、「I=私」を主語にした表現を言います。
相手の行動によって「私」がどう感じるかを表現することにより、相手を承認したり、注意を促したりする方法です。
この逆で「You=あなた」を主語にしたメッセージを、ユーメッセージと言います。

ユーメッセージは受け取る側に「あなたが~~だから」と決めつける印象を与えやすく、相手の中に抵抗や反発を生みます。
アイメッセージを使うと、相手を責めたり、意見を押し付けたりするような印象を弱めながら、自分の意見を伝えることができます。
メリットは「相手の自主性を否定せず意見を伝えられる点」ですが、「遠まわしな印象になるため、作業での命令や指示には向かない」点はデメリットです。

【アサーティブではない例

アグレッシブタイプ
ユーメッセージが強くなる傾向があります。相手を責める・強制するニュアンスが強くなり、反発心を生んだり畏縮させてしまう可能性も。

ノン・アサーティブタイプ
そもそも意見を伝えない場合と、時間が経ってから「実は〇〇と思っていた」など、かなり遠まわしな表現をする場合があります。後者の場合は「いまさら言われてもどうすれば……」と相手を困惑させてしまいます。

アサーションで円滑なコミュニケーションと組織改善を

コミュニケーションは相手があってこそのものです。意見を伝える相手や場面によって、効果的な伝え方は変わってきます。
短期的に効果を感じることは難しいですが、一人一人がアサーティブなコミュニケーションを心がけることは、組織のパフォーマンス向上につながります。
今回の内容が、アサーションの重要性に気づき、社内メンバーのコミュニケーションタイプ・会話のシチュエーションを想像いただくきっかけになれば幸いです。

北浜グローバル経営では、アサーションの考えを落とし込んだ組織開発支援を通して、自律的な社員の育成、組織の一体感の醸成に貢献します。
その他、組織現状を定量化するアンケート調査や、マネジメント育成、チームビルディング研修など、組織と人材に関するさまざまなお悩みの解決に向けたサポートも可能です。
ご興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

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